ヒヤリハット対策を模索する

薬局業務の中で切っても切り離せない存在

それは、ヒヤリハット

個人的にはヒヤリハットというよりヒューマンエラーを考えることが多い。

単純なミスであればミスをしないようにやり方を変えるという方法があるが、

私が言いたいのは心理的空間である。

行動に至った理由を深掘りする必要がある。

コフカの心理的空間に基づく判断モデル

心理学者のコフカは、人は自分の行動をどのように決定するか、以下の例を示した。

 雪の野原を馬に乗っていたある旅人が、やっとある家にたどりつき、一夜の宿を請うた。

 その家の主人は、旅人が通ってきたコースを聞いて旅人の無謀さに驚いた。主人からのそのわけを聞いた旅人は、卒倒してしまった。なぜなら、旅人が雪の野原と思って平気で歩いて来たのは、実はそうではなく、湖面に張った 氷上の雪であったことを知ったからである。

 そこは、土地の人ならとても怖くて通れるような所ではなかったのである。

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即興で作った絵である

これはただのたとえ話ではなく、実際に行動した内容をが実はものすごく危険なことだったりすることもある。

しかし本人の心理的空間の中には危険な因子が一つもないのだ。この旅人は湖の存在がなければ直線で進むことは最も合理的な行動なのである。

旅人が見えている空間は、ただの雪原であるこれを心理的空間と呼び、湖を含めた空間を物理的空間と呼ばれる。

つまり、心理的空間と物理的空間を一致させることが重要になる。

行動を変えるには湖の存在を何かしらの形で示す必要がある。

現実のヒューマンエラーではここでの湖の存在は見えていないことの方が多く、ヒヤリハットを起こした後でもその湖の存在は明らかになっていないことがある。

だからこそインシデントの集計をかけてその頻度を数値で出したり、システムや規則のようなもので湖の周辺に柵を立てるようなイメージで対策を立てるだと思う。